一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、
謎に満ちた日々への扉を開けた。
遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。
彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。
覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、
『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。謎を解く鍵は記憶のなかに――。
忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。気鋭の新人が贈る清新な力作。
読んだ時期:
2009年12月27日。
レビューとか感想とか:
こ・・・これは。良い意味で裏切られた一冊でした。
この作者の本は何冊か読ませて頂いているのですが
基本的に主人公が魅力的じゃ〜ない。
大抵が、自分は賢いと思ってて理屈っぽくて世の中を斜めに見下ろしていて
一言で言うと小賢しいキャラをしているのですが今回は若干柔らかめでした。
理屈っぽく推理を披露するシーンが短いのが良かったです。
内容は、異国からなんかしに日本に来た少女がいきなり途方にくれてて
主人公達と出会う。んで、何故か仲良くなる。
んで、わいわいやって帰っていく。その後・・・の話です。
時間的には帰った後。
主人公の日記を読み返し思いを馳せる形で少女について語られます。
ミステリーとは言ってもおまけ的な物で推理物を期待するとガッカリすると思います。
どちらかと言うと、ちょっと重めの学園青春小説って感じでしょうか。
中々に切ない話です。え〜ん(p_q)・・ちらっ(p_−q)
波乱万丈な感じではありませんが、味わい深い作品だと思いました。
私は小説を読む時、勝手に頭の中で映像化して読むタイプです。
フォトリーディングとか速読みたいな感じでは無くて、
場面場面を映像化して再現するみたいな感じで。
しかも人となりの説明なんかは結構読み流すので黒髪で長髪の女性が
勝手に青い目のブロンド少女になっている事もあったりなかったり。
作品に対してある意味とっても失礼な読み方ですが
個人的には楽なんですよ、その方が。
ちなみにこの本を読んだ時は何故かペルソナ4の登場人物達が思い浮かびました。
自己分析するに、多分旅館繋がりです。
我ながら安易だと思うのですが、結構しっくりきたので哲学的に良しとします。
お気に入り度:
★★★★★
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